「4Kモニターの27インチが意味ない」と言われる理由にはいくつかの背景がありますが、決して意味がないわけではありません。
4K 27インチモニターは意味がないと話題があがるのは「画素数的に27インチで4Kモニターにしても高画質を活かせない、32インチ以上じゃないと意味がない」といった内容になります。
それが本当に正しいのか、本記事内で解説していきます。ぜひモニター選びの参考にしてください。
結論:4K 27インチモニターでも意味がある
冒頭に記載したように27インチモニターでも4Kを選ぶ意味はあり、4Kの解像度を活かすことができます。ただし27インチだと4K最大限に活かすことができません。
27インチモニターで4Kが「必要ない」とされるのは、一般的な用途ではWQHD(2560×1440)で十分な解像度と作業効率を得られるからです。
それ以上の解像度になると通常利用ではオーバースペックになります。(あくまでネットサーフィンや動画を見る場合の話)
4K 27インチモニターが意味ないと言われている理由
ここからはより詳細に4Kモニターが意味がないと言われている理由について紹介していきます。
4K 27インチモニターが意味ないと言われている理由5選
- 画素密度と視認性の問題
- スケーリングの問題
- 性能面の負担
- 視聴距離とサイズの関係
- コスト対効果
画素密度と視認性の問題
27インチで4K(3840×2160)の解像度は、画素密度(PPI: Pixels Per Inch)が非常に高くなります。
PPIが高すぎると標準的な視聴距離では人間の目が画素を識別しづらくらなります。
視力が良い人でも「27インチ4K」を通常のデスク環境(モニタとの距離が50cm〜70cm)で使うと、FHDやWQHD(2K)と比べて「見た目の鮮明さ」がほとんど変わらないと感じる場合があります。
細かすぎて伝わらない、といった感じです。
スケーリングの問題
WindowsやMacOSでは、4Kの解像度だと文字やUIが非常に小さく表示されてしまいます。そのため、一般的に150%〜200%程度のスケーリングを設定して拡大表示させています。
結果として表示できる情報量がWQHD(2560×1440)と大差なくなるため、「4Kの恩恵が薄い」といった感じ方をしてしまいます。
機能面の負担
4K解像度では表示するピクセル数がFHD(1080p)の4倍になるため、PCのグラフィック性能(GPU)や処理性能に大きな負荷がかかります。
特にゲームや動画編集の用途では、高解像度な分、フレームレートの低下や処理速度の遅延が発生しやすくなります。
これに対して、WQHD(2K)の方が性能と画質のバランスが良いため、27インチクラスでは現実的とされています。もちろんPCのスペックが高ければ全く問題ありません。
視聴距離とサイズの関係
4K解像度は画面サイズが大きいほど、あるいは視聴距離が近いほど発揮されます。
27インチは一般的なデスク環境に適したサイズですが、視聴距離が近い場合でも4Kの精細さを実感しにくいことが多いです。
これに対し、32インチや42インチのようにサイズが大きい場合は4Kの高解像度が活きてきます。
コスト対効果
27インチ4Kモニターは比較的高価でありながら、価格に対するメリットが少ないと感じることが多いです。
同じ価格帯であればWQHDの高リフレッシュレートモニター(144Hz以上)や、より大きいサイズのモニターの方が「快適さ」を得やすいため、4Kを選ぶ意味が薄くなります。
4Kが必要な人・恩恵を感じる人
ここからは4Kモニタが必要と感じる場面や恩恵を受ける人について紹介していきます。
写真編集や映像制作などのクリエイティブ用途
4K映像の編集や高解像度写真の編集では、画素密度が高いことが大きなメリットです。細部の確認がしやすく、拡大縮小せずに作業することができます。
イメージ通りに撮影できているかを確認するためにも重要です。
また色精度が高い4Kモニターを選ぶことで、より忠実に編集・現像することができます。
文字のシャープさにこだわる人
スケーリングを適切に設定することで、文字やUIが非常に滑らかになります。ドットが目立たないため、目の疲れを軽減できることがあります。
個人的には4Kモニタを選ぶ上での大きなポイントです。
将来のコンテンツ・技術への投資
4K対応コンテンツ(動画、ゲーム、アプリケーション)が増えている現状では、それらを楽しむ上で4Kモニターを選ぶ価値があります。
デスクに近い距離で使う人
画面に近づいて作業する場合(例えばクリエイター用途)、4Kの高精細さが実感できる可能性が高くなります。
4Kが必要ない人・恩恵が少ない人
ここからは4Kモニターが不要な人について紹介していきます。
一般的なデスクワークやWeb閲覧中心の用途
4KだとUIや文字が小さく表示されるためスケーリングが必要になり、実質的な表示領域がWQHDと大差なくなります。(4K設定で利用する場合は別)
結果として「情報量が増える」メリットが感じられなくなり、WQHD(2560×1440)で十分という結論になりがちです。
PC性能に余裕がないユーザー
4K解像度では、動画再生、写真編集、ゲーム、マルチタスク時にPCのグラフィック性能に負荷がかかります。
4Kを表示できても、性能の限界から作業効率が悪化する可能性があります。
視力が普通 or 良くない人
27インチで4Kの精細さを実感できるかは「視力の良さ」にも依存してきます。多くの人は通常の距離から見た場合、FHDやWQHDとの違いを感じにくいです。
コストパフォーマンスを重視する人
27インチの4Kモニターは比較的高価であり、その費用対効果を考えるとWQHDやリフレッシュレートが高いモニターの方が有利です。
選択のポイント
27インチ4Kの選択は、「作業内容」「視認性のこだわり」「PC性能」次第ということになります
以下にざっくりと選ぶ基準を記載していますので本文とあわせて参考にしてください。
- 一般用途:27インチ WQHD(2560×1440)で十分。コストも抑えられる。
- クリエイティブ用途や高精細重視:27インチ4Kは有用。ただしOSのスケーリング設定も重要。
- 大画面が前提なら4K:32インチ以上が4Kの恩恵を最大限感じられます。
上記まとめましたが、感覚的に少しでもきれいに見えた方がいいと考える場合は4Kモニターを選ぶことで後悔は少なくなります。
普段利用・テレワーク利用ともに、個人的には27インチモニターはおすすめできるサイズです。(ただしケーブルも4K対応のケーブルが必要)